国際ワークショップ <国連「放牧地と遊牧民の国際年2026年」に向けて─内陸アジアとアフリカをフィールド調査する英国と日本の研究者の対話>を5/11・5/12に開催します

科研費基盤研究(A)23H00031、JSPS国際共同研究プログラムJPJSJRP20211705共催国際ワークショップ
国連「放牧地と遊牧民の国際年2026年」に向けて─内陸アジアとアフリカをフィールド調査する英国と日本の研究者の対話
[講演・質疑応答言語: 英語 セミクローズド・対面開催]

2024年5月11日(土)10:00-11:30 会場: 法政大学市ヶ谷キャンパス富士見ゲート校舎G601教室
2024年5月12日(日)10:00-11:30 会場: 法政大学市ヶ谷キャンパスキャンパスボアソナードタワー26階会議室A

2022年3月15日ニューヨークで開催された国連総会において、2026年を「放牧地と遊牧民の国際年(IYRP 2026)」とすることが全会一致で宣言され、日本政府もこれに向けた動きを支持してきました。同宣言は、地球の地表面積の半分以上は放牧地が占めており、かつ、急速な砂漠化に苦しんでいることを指摘しました。また、同宣言は、遊牧は多様な生態系、文化、アイデンティティ、伝統的知識、自然と共存してきた歴史的経験と結びついた、ダイナミックで柔軟性に富んだ生業であると認めています。さらに、放牧地と遊牧民は、現在各地域で緊急の課題に直面しており、SDGsの達成に向けて前進していくためには、持続可能な放牧地と遊牧の実現に向けた取り組みを急速に拡大する必要があることが承認されました。

遊牧民は世界から取り残されてきた人々です。日本の学界では国連IYRP2026の認知度は低く、SDGs達成のために遊牧民と放牧地が果たす重要な役割も学界で十分に認識されていません。同宣言では、遊牧は多様な生態系、文化、アイデンティティ、伝統的知識、自然と共存してきた歴史的経験と結びついた、ダイナミックで柔軟性に富んだ生業であると認められています。したがって、とSDGs およびIYRP 2026年に貢献できるように、国境と専門分野を越えて、放牧地と遊牧に関連する研究分野による学術的な対話を促進することが期待されています。

この小規模なワークショップは、国連 IYRP 2026 年に向けて、内陸アジアとアフリカをフィールドとする調査研究者による日英間の交流を促進することを目的としています。科研費プロジェクトの日本チームメンバーが、気候変動と気候ナラティブに焦点を当て、基調講演に応答しながら、アフリカの様々な地域を対象とする短いプレゼンテーションを行います。キルギス共和国からご来訪の2名の研究者による研究報告も予定されています。報告者・参加者の専門分野は、人類学、地域研究、開発経済学、国際関係学など、様々な専門分野に及んでおり、元国連職員、元JICA職員、元国際NGO職員等も含まれています。また、国際人類学民族学科学連合遊牧民委員会の共同委員長としてIYRP2026に関連する学術的な動向を先導し、オックスフォード大学の地理学研究者としてモンゴルの遊牧民の調査研究を行ってきたアリエル・アハーン博士とトロイ・スタンバーグ博士の基調講演との質疑応答を予定しています。

この小規模なワークショップが、国境および学問分野の境界を越えて、内陸アジアとアフリカの遊牧社会に関心を持つ日英研究者間の交流を促進する機会になれば幸いです。

*なお、本国際ワークショップは国際セミナー(5/11 13:30-)のサイドイベントとして開催されます。国際セミナーの詳細につきましては以下ウェブページに掲載される情報をご参照下さい。

*報告を2つ追加したため、プログラム2日目の開始が10分早まり、プログラム1日目の休憩時間が報告時間に変更されました。詳細は変更になる場合がありますので、随時ホームページをご参照ください。
プログラム1日目: 2024年5月11日(土)10:00-11:30 会場: 法政大学市ヶ谷キャンパス富士見ゲート校舎G601教室
10:00-10:10: 開会挨拶
10:10-10:20: 村橋勲(静岡県立大学助教)報告1 Climate Change or Local Justice? On Frequent Drought and Regicide in South Sudan.
10:20-10:30: 佐川徹(慶応義塾大学准教授)報告2 Large-Scale Development Projects and Livelihood of Agro-Pastoralists in Southwestern Ethiopia.
10:30-10:40: 宮本佳和(東京外国語大学特任研究員)報告3 Fragmented Traditional Authority: Lessons from Grazing Disputes among Otjiherero-speaking People in North-west Namibia.
10:40-10:50: 島田剛(明治大学教授)報告4 ‘Climate Change and Development Projects in Peripheral Area.’
10:50-11:00: ケメル・トクトマシェフ(中央アジア大学上級研究員)報告5: ‘Assessing the Impacts of Mining Activities in the Naryn Region of Kyrgyzstan: China’s Role in Pre- and Post-COVID Dynamic.’
11:00-11:30: 質疑応答 (アリエル・アハーン(オックスフォード大学講師)、トロイ・スタンバーグ(オックスフォード大学主任研究員)、科研費チーム他

プログラム2日目: 2024年5月12日(日)10:00-11:30 会場: 法政大学市ヶ谷キャンパスキャンパスボアソナードタワー26階会議室A

09:50-10:00: ザリーナ・アニキーヴァ(中央アジア大学研究員)報告6: The Role of Women-entrepreneurs during COVID-19 in Rural Parts of Kyrgyzstan.
10:00-10:10: 阪本拓人(東京大学教授)・榎本珠良(明治学院大学准教授)報告7: Evolving Climate Crisis Narratives at the United Nations.
10:10-10:20: 目黒紀夫(広島市立大学准教授)報告8: Changes in Maasai Livelihood Practices and Preferences in Amboseli, Southern Kenya.
10:20-10:30: 橋本栄莉(立教大学准教授)報告9: Living with/without Cattle :Coping with Vulnerable “Blood” among Nuer Refugees of South Sudan.
10:30-11:00: 質疑応答 (アリエル・アハーン(オックスフォード大学講師)、トロイ・スタンバーグ(オックスフォード大学主任研究員)、科研費チーム他
11:00-11:20: 総合討論
11:20-11:30: 閉会挨拶

■参加方法
ご参加(対面のみ)をご希望の方は、事前予約が必要です。以下のWebフォームより2024年5月3日(金)までにメールアドレス等をご送信ください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSckyaoJ8iWyE024W5M5sgKFx293I-rOV_3pN2YH10CP_JHgsg/viewform?usp=sf_link

■アクセス: 法政大学市ヶ谷キャンパス
https://www.hosei.ac.jp/ichigaya/access/
https://www.hosei.ac.jp/ichigaya/gaiyo/map/?auth=9abbb458a78210eb174f4bdd385bcf54

■お問い合わせ先: localizationtoafrica@gmail.com

■フライヤーは以下でご覧になれます
https://drive.google.com/file/d/1nb_4WcqJ9mXQfA7DWHDrC67NM5vd4qTt/view?usp=share_link